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おもてなしの心

おもてなしの心

おもてなしの準備をする姿はとてもきれい

おもてなしとは心をデザインすること。テーブルコーディネート、空間の演出、お料理もすべて自分の気持ちの表現です。
この基本を揺らがすことなく自分の中に据えておきましょう。すべてのことがここから出発するのです。
お招きするのは、どのような方でしょうか?その方はどの席にお座りいただきますか?何がお好きで心身のコンディションはどうでしょう。
ホームパーティでは数人から十数人、人によってはそれ以上お呼びすることもあるでしょうから、パーティのテーマに応じて、そこに集う方々の相性もある程度、配慮するほうがいいでしょう。
けれどすべての人に対応するのは至難の業ですから、主賓となる方の好みやコンディションを中心に考えるといいと思います。
例えば、その方がとても忙しく過ごしている方でしたら、あまりキラキラと華やかであるよりも、落ちついた雰囲気の演出でくつろげる空間をつくり、お料理もやさしいお味のものにしよう、ということになります。すると空間とテーブルの演出、お料理がバランスよくコーディネートされるのです。
忘れてならないのが、そこに自分らしさを感じさせること。イタリア風でもフランス風でもなく、もはや現代は私風の時代です。自分の美しさを表現してほしいと思います。それにはふだんから何が好きか、情報に流されるのではなく、しっかり自分の内面を見つめる必要がありますね。
そんなふうにしてつくるおもてなしはとても素敵なものになると思いますし、そのような機会を持つことで、その人自身も素敵になっていくと思います。
私はよく生徒さんにも言うのです。「おもてなしの準備をする姿は、とってもきれいよ」と。
楽しく、素敵な時間を過ごしたいという気持ちが行動となるとき、その人は美しい輝きを発するのです。

おもてなしをすると気の流れがよくなります

 慣れていないからと敬遠せずに、最初はお茶のおもてなしをしてみませんか。これはいちばん手軽なおもてなしです。家族や帰宅した子どもと一緒に、そしてお友だちと。
中国ではお茶は「気を入れる」こと。「一息入れる」とか「一服する」と表現されることからも、うかがい知ることができます。その理由は、もともとお茶は生薬だったからです。お薬をいただいて、体を元に戻す、元気になるために、お茶を飲んでいたのです。あまり気負わず無理せず、気軽に「お茶しませんか」をお誘いしてみましょう。
人が出入りするとなると家をきれいにして、お花などで季節のしつらえをするようになりますね。すると家の中の気もどんどんきれいになっていきます。
人に出入りがあるきれいな空間は気の流れが良いため、とても幸福な気持ちで過ごすことができるようになります。気は人の体の水に影響を与えますから、良い気であるばあるほど、心は明るくおだやかになり、体も健康になります。
そのような明るい人は、相手の心も明るくしてしまうことでしょう。おもてなしには、こんな側面もあるのです。

食卓は目から口から、そして心へ伝わります

 ひとつ注意しなければならないのは、私風といってもやはり基本はきちんとふまえること。テーブルセッティング、テーブルコーディネートは約束通りにきちんとしましょう。そこにTPOや自分らしさの感じられるアレンジがプラスされるのです。あまり華美になるよりもシンプルで美しいバランスになるように心がけた方が良いでしょう。
なぜテーブルセッティングは必要なのでしょう?それは美味しいものというのは、目から口から、そして心へと伝わっていくからです。
「おいしそうな時間が過ごせそう」そんなふうに思わず感じて嬉しくなるようなテーブルであれば、お料理はいっそう引き立ちます。季節の匂いや香りを一緒に笑顔で味わうとき、人は笑顔になり心は広やかになります。小さなことにこだわらなくなって、悩んでいたことも、まあいいか、などと思うことができるようになります。
こうして楽しく食卓を囲むことによって消化酵素が充分に分泌され内臓の働きが活性化します。するとホルモンバランスが良くなり、情緒のバランスがとれるようになり免疫力もアップするのです。
するとおのずと体の気の流れもよくなります。それがその人の内面のエネルギーにも通じるのです。
ストレスが溜まっていたり体の調子が悪いときというのは、気の流れが滞っているもの。おもてなしに限らずとも、ふだんの食事やちょっとしたティータイムでも、やさしいひとときが生まれるようなテーブルを作ってみましょう。心身のバランスを上手にとる秘訣です。

秋篠野安生